vol.146 前立腺がんの放射線治療

2013年03月03日

採血によるPSA検査で早期発見が可能な前立腺がん。前立腺がんの放射線治療について、詳しいお話を泌尿器専門医の沼倉一幸先生に伺った。
前立腺がんの放射線治療には外照射と内照射がある。外照射は従来から行われている放射線治療で、早期がんから局所進行がんまで幅広い適用があるが、治療期間が一ヶ月以上に渡るという難点がある。内照射は早期がんに適用され、数日の入院で済むというメリットがある。
内照射は小線源療法ともいい、直径1ミリ、長さ5ミリほどのチタンのカプセルの中に放射線を放出する物質を密封し、陰嚢と肛門の間から刺した針を通して前立腺に埋め込む。麻酔は下半身麻酔のみでもほとんど痛みはなく、およそ一年ほどの時間をかけてゆっくりがん細胞を殺していく治療だ。
早期発見することによって前立腺がんの根治が可能になることはもちろんだが、治療の選択が増えるというメリットがある。内照射などは早期の前立腺がんに限られるし、早期発見が重要だ。
前立腺がんは県内のがん発見の経緯で検診の割合がもっとも高いがんだ。血液検査でPSAを調べるだけで済むので、50歳以上の人、あるいは40歳以上でも家族に前立腺がんの患者がいる場合は、ぜひ受診してほしい。