vol.128 増加傾向の大腸がん

2012年10月21日

二人に一人はがんに罹ると言われる現在の日本。そんな中で男女あわせたがん死亡数で三番目に多いのが大腸がんだ。詳しいお話を消化器外科医の進藤健一先生に伺った。
大腸がんというのは、大腸の一番内側の粘膜からできるがんだ。粘膜の中でも粘膜腺腫という良性腫瘍からできてくるものと、粘膜そのものからできてくるがんの二種類がある。
2005年の時点で、全国で10万人以上が大腸がんに罹っている。また死亡数としては2009年の時点で、4万人以上が亡くなっているという状態だ。
大腸がんの危険因子は、今のところわかっているものでは肥満体型の人、もしくは赤身肉、加工肉といった肉食がリスクとして知られている。逆に予防的なものとしては、運動が大腸がんのリスクを下げるといわれている。
大腸がんの多い年齢は、一般的には50代から増え始め、60代70代でピークを迎える。60代以降は仕事を退職する人が多く、退職にともなって大腸がん検診を受けなくなる人が増えるので、特に見落としの多い年代になる。退職した後も定期的に大腸がん検診を受けることを薦めたい。