vol.120 日本人に多い胃がん

2012年08月26日

がん死亡率の高い秋田県、その中でも特に高い死亡率を示しているのが胃がんだ。詳しいお話を県医師会の藤盛修成先生に伺った。
胃がんとは、胃壁の一番内側にある粘膜という細胞が、何らかの障害を受けてがん化することによって、どんどんがん細胞が増えていく状態をいう。検診で見つけられるような大きさになるまでには何年もかかるといわれている。
全国では一年間で、男性の場合は3万2000人、女性では1万7000人が胃がんで命を落としている。がんの中の死亡率では第2位といわれている。
胃がんは、塩分の摂り過ぎとヘリコバクターピロリ菌の感染が原因といわれている。塩分を摂り過ぎると胃の粘膜を保護する胃の粘液が破壊され、それにともなって胃の細胞が障害を受けやすくなって胃がんが発生しやすいといわれている。
ピロリ菌というのは、衛生環境が悪かった時代に、井戸水や食べ物から我々の胃の中に入ったといわれている。ピロリ菌が産生する毒素やタンパク質が胃の粘膜を傷害することによって胃がんが起こりやすくなるといわれている。50歳以上の場合70~80%の人がピロリ菌に感染しているといわれている。
胃がんは病気が進んでいても全く症状が出ないこともある。逆に早い段階で胃の痛みや胸焼け、黒い便が出たりすることもある。やはり定期的な検診を受けることはもちろん、症状が続く場合には早めに医療機関を受診して胃がんの検診を受けることを薦めたい。