vol.113 子宮頸がんとHPV

2012年07月08日

30歳代や40歳代での発症が多い、子宮頸がん。その発生には、あるウィルスへの感染が大きく関わっている。詳しいお話を、秋田県医師会の清水靖先生に伺った。
子宮頸がんの原因はヒトパピローマウィルスの感染。ヒトパピローマウィルスは、100種類以上の型があるが、子宮頸がんを引き起こす可能性のあるタイプは高リスク型と呼ばれ15種類ほどだ。その中でも16型18型が子宮頸がんの65%の原因になっていると考えられている。ただ、感染しても多くの場合は免疫力によって排除されるので、あまり心配はない。長い期間、免疫力が働かずに感染が持続した場合にがん細胞に進行していく。子宮頸がんは、正常→異形成→上皮内がん、いわゆる前がん病変を経てがんへと進行していく。
子宮頸がんの初発症状としては、性交時の出血や、生理以外での出血などがあるが、初期にはほとんど症状が出ないことが多い。そのためにも定期的な検診が必要だ。定期的に検診を受ければ、前がん病変で発見することができるので、適切な治療を受けることによってがんを予防することができる。ぜひとも子宮頸がん検診を受けてほしい。