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お笑いの舞台 ぜひ「生」で

番組出演者に長谷川瞬さんが加わってひと月以上たった。秋田で活躍するお笑いコンビ「ちぇす」の1人だ。私は、彼らのことを知ってはいたが実際にお笑いの舞台を見たことがなかったので、番組で初めて対面した。出演者と初対面というのは何も珍しいことではない。なぜなら私は「サタナビっ!」以外でのタレント活動はほとんどしていないので、いわゆる業界の人たちと出会う機会がないからだ。案外せまい世界なので、それぞれどこかで一緒に仕事をしたりしていて、私以外のスタッフや出演者同士はだいたい顔見知りだったりするのだが。

地方には、芸人と呼ばれる職業の人たちはそうはいない。理由は様々だが、とにかく多くない。そんな中で活動する「ちぇす」である。ちゃんとステージを見ないといけないし、番組をご覧の皆さんにも、きちんと紹介する必要があろうということで、湯沢市で定期的に開かれている公演に、先日、取材に出かけた。落語家「きり亭たん方」も出演する、湯沢サンサン寄席。小さな会場ではあったが、客席の雰囲気がとても良く、爆笑に次ぐ爆笑で、あっと言う間に終演となった。もっと見たかったなあ。

やはり、落語も漫才も「生」に限る。皆さんもぜひ、生のステージを体験してみて下さい!

(朝日新聞秋田版 2019年05月22日掲載)

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故郷の将来 考えないと

秋田市も花見の季節になった。春は何かが始まり、様々に変化する予感の季節だ。環境が変化するのは悪くない。むしろ良い。人は入れ替わり、場所も方法も変わる。

私だってだらだらした生活を送ってはいるが、「変わらない」のは退屈だ。同じことを更新せずにただ繰り返すのはうんざりである。繰り返すと大体の物は劣化する。それでは全然面白くない。考えもなく人がやり続けることには、目も当てられない。

我が故郷の人口減少の速度はすさまじい。近い将来どのような規模になるのか、数字で推し量ることは難しくはないはずだ。そう、このことは待ったナシの大問題なのだ。雰囲気や気分の感情論的な、上っ面だけの変化では、どうにもならない。データに基づいた厳しい現実を直視しなきゃならないことを自覚しなければ……。ひとごとではないのだ。

などと言いながら、私自身は色んなところが外れたり抜けたりしているので、何事も1人分しか計算できないし、せいぜい数カ月先のことしか考えられない。それが精いっぱいなのだ。そんなやつが社会に出て仕事をして家庭を持っているわけで、もう何もなくても毎日が必死、満身創痍(まんしんそうい)……。それでも考えることは大事だ。うん、とにかく考えよう。

(朝日新聞秋田版 2019年04月24日掲載)

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裏方が表に出る理由は

1月末、アルヴェで番組の公開生放送があり、人気のコント三人組「ハナコ」が、ゲストとして登場した。メンバーの1人が秋田出身で、番組や私のことも知っていて、「サタナビっ!でコントやったよ!スゲー」などと盛り上がってくれたのだが、他の2人はもちろん地方の番組のことなど知る由もなく、この温度差が面白かった。実は今回、同じ舞台上で斜め後ろからコントを見るという不思議な経験をした。ただ「見ている姿」を客席から見られていたわけで、考えてみると、ちょっと変じゃない?

先日、20年ぶりに東京で一緒に舞台の仕事をしていた仲間と話す機会があった。皆、私が秋田でテレビに出ていることを知ったらしく「芸能人と話をするのは初めてでー」などと口々に言う。当時、多くの俳優やスタッフと仕事をしていたのに!つまり、裏方の一人だった私が、今なぜか「出役」に回っていることを激しくちゃかされたのだ。まあ、もっともだ。私だって立場が違えばきっとそうする。

裏側の人間が表側に出るのにはそれなりの理由があるはずなのだ。でなければ、単に裏側の仕事の才能に欠けていたか、ただの出たがりか、上役の悪趣味か。まあ何にせよ、あまり褒められたもんではない。さて、私には「出る」理由があったっけ……?

(朝日新聞秋田版 2019年02月20日掲載)

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長い車旅 降りて上機嫌

年末年始に家族で富山と岐阜に行って来た。往復1400キロ。滅多にしないロングドライブだった。運転手は私1人。普段通らない道を走るのは嫌いではないのでそれなりに楽しんだが、同乗者たちが「揺れる」だの「足がむくむ」だの「緊張する」だの、不平を口にするのにはいささか閉口した。

でもまあ、それも仕方ないことで、何しろそんな長旅は十数年ぶりなのだ。ハンドルを握っている私は積極的に車の操作をし続けているわけだが、同乗者はただひたすら座っているだけなのだから。

若い頃、東京から富士山のふもとまで仲間とドライブした。車内はなぜだかずーっと盛り上がり、ほとんど誰かしらしゃべり続けていた。そうしていなければならない年頃だったのだと思う。ウチの場合、後部座席の子どもたちは勝手にしゃべってお菓子を食べて、寝る。助手席の妻とは、眠気防止に目的地の話なんかをぽつりぽつりするくらいだった。

まあ、そんなものだろう。鶴岡、富山、高岡、高山、新潟と巡ったが、高岡以外は家族では初めての場所ばかりで、車を降りさえすればすぐに皆、上機嫌になるのがよかった。「知らない場所を楽しめる人たちでよかった」と、つくづく思う。でも、しばらくはドライブ嫌がるだろうなあ……。

(朝日新聞秋田版 2019年01月16日掲載)

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頼もしや18歳の新風

今月から番組に新しいメンバーが加わった。澤井優香さん。潟上市出身のなんと18歳。うちの娘とひとつしか違わない。聞けば両親は私より10歳以上も若いと言う。さすがに長く番組を続けるとこーゆーことも起こる。これで、サタナビっ!のメンバーはほとんど家族みたいな構成になった。10代から50代まで勢ぞろいだ。私の頼りない記憶だと、出演者で一番若かったのは23歳くらいだったはずで、未成年が出演するのはたぶん初めてだ。まさに新しい風。

ただ若いから、ということではなく、若い人が入ったことで周りのバランス、立ち振る舞い方が自然に変わる、変わらざるを得ない、ということが大きい。番組放送開始16年目にして、色んな意味でフレッシュさが加わった。

彼女は地元のアイドルとして長く活動し、それを卒業しての出演である。つまり、私よりも生のステージ、現場の経験が豊富。しかもグループでの活動だったので、周りとの関係性にも気を配れる。お客を意識した行動や発言についてもある程度わかっている。その辺りはしっかりしていて頼もしい。

澤井さんは出演2回目で早くも安心感を醸し出していた。これからが楽しみである。それにひきかえ、俺の18歳のころってば……。

(朝日新聞秋田版 2018年12月19日掲載)

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