
だいぶ前の話だが、劇作家の平田オリザ氏が「面白い町、つまらない町」という言葉を使って、文化の有り様や地方の町のこれからについて語っていた。「その町がその人にとって面白ければ若者はある一定数は戻ってくる」と。
人口流出の理由の第一に雇用問題があると言われがちな中で(確かにそれは大きな問題だが)、実はその前に人がそこに面白みを感じ、「居たい」と思うことが重要なのだと私も思う。誰かがそこに居たいなら、それが本当に大事なら、居続ける方策を探し選び、住み続けるはずだ。
誰かがそこにいる理由は様々で「好きだ、楽だ、土地や収入がある」。逆に離れる理由がないということかもしれない。やりたいことを選ぶ。何かを守ることを引き受ける。おのおの自分にとって大事なものは違い、だから「居る」「離れる」理由というのは、ものすごく個人的な問題が大きくあったりして、社会の仕組みで解決できることばかりではないだろうと想像する。まあ、ごく当たり前の話なんだけども。
社会が関われる余地はどれくらいかわからないけれど、大事なのは人と人との間の問題かなーと、思う。