あいたいAAB

高田 美樹

みんな輝く すなわち「最高」

21日に夏の高校野球秋田大会が閉幕しました。感染症対策として、大会途中からスタンドで声を出しての応援は出来なくなったものの、1回戦から観客を入れての開催。これぞ夏の大会という雰囲気の中で躍動する選手たちの姿を見ることができました。

 熱戦の期間中、「トレタテ!」に、高校野球芸人としておなじみのいけだてつやさんが出演して下さいました。お話が面白いのはもちろん、すごいと思ったのはいけださんの視点です。

 打席で丁寧に礼をする選手や全力で腕を回すコーチャー。思い切りよく太鼓をたたく部員に応援団のリズムに乗って応援する人など、いけださんのお話には様々な人が登場します。

 グラウンドの選手だけでなく、球場にいるそれぞれが輝いてこそ最高の大会になる。今年は初めて高校野球担当ではない夏を過ごしましたが、改めてそんなことを感じさせてもらえる大会になりました。

 選手たちと選手を応援してきた皆さん、そしていけださん! ありがとうございました!
優勝した能代松陽は甲子園に挑みます。秋田の思いを背負って最高の夏を過ごしてきてください!

(朝日新聞秋田版 2022年07月29日掲載)

高田 美樹

春の訪れ「待っていた」

「待っていた」という言葉を、これほど聞いた春はあったでしょうか。

今年の春は、新型コロナの県独自の感染警戒レベルが見直されて活動の制約が大幅に緩和され、各地で桜まつりなどのイベントが開かれました。

ステージイベントなどは中止、訪れる人みんながマスクを着用しているという、以前とは大きく異なる光景でしたが、それでも訪れた人たちの表情は晴れ晴れとしていて、待ち望んでいた開催への喜びにあふれていました。

ひとりで歩いて桜を眺めるのも素敵ですが、その瞬間を誰かと共有できることはもっと素敵ですよね。

そして桜が満開の期間は青空が広がった日も多く、天気までが桜まつりが開かれるのを待っていたようでした。

この夏は、秋田市の竿燈まつりや鹿角市の花輪ばやしなどが3年ぶりに開催される見通しで、待っていた夏の風景が少しずつ戻ってきそうです。

当たり前だった夏の風景がなくなった2年間の分も「待っていて良かった」と思えるような瞬間が、一人でも多くの人に訪れますように。そんな思いで桜を眺めました。

(朝日新聞秋田版 2022年05月20日掲載)

高田 美樹

変わったけれど変わらない

「変わったけれど変わらない」。そう感じてうれしくなる瞬間ってありませんか? 私は昨年12月に明桜高校出身で千葉ロッテマリーンズの山口航輝選手にインタビューした時に、そんな気持ちになりました。

昨シーズン1軍デビューを果たした山口選手は、身体が大きくなって引き締まり、話し方もぐっと落ち着いていました。

しかし、秋田の話をすると一気に高校時代の表情に戻ります。山口選手は大阪出身ですがいつも秋田の人たちが温かく声をかけてくれること、他球団の後輩選手が同じ秋田出身の選手としてあいさつに来てくれたこと。そして高校時代からのライバル、北海道日本ハムファイターズの吉田輝星投手との対戦のことなどを、生き生きと話してくれました。

そのなかで「いつか実現したい」と盛り上がったのが、明桜と金足農業の卒業生の座談会です。この2校が夏の秋田大会の決勝で対戦したのは2017年と18年。17年当時の3年生は大学に進学した選手も春から社会人になります。今だからこそ話せることも聞けることもあるはず。決勝のメンバーがそろったらきっと面白いと思いました。

ちなみに17年、新入社員だった私は高校野球取材に楽しみながら挑んでいました。選手たちのその後の活躍ぶりをお伝えできるのもこの仕事の醍醐(だいご)味です。

(朝日新聞秋田版 2022年01月29日掲載)

高田 美樹

実らせた夢 悔しさバネに

11日のプロ野球ドラフト会議で、県内からは明桜高校の風間球打投手が福岡ソフトバンクホークス、角館高校出身でTDKの小木田敦也投手がオリックス・バファローズに指名されました。これまで取材してきた2人の選手の夢がかなって本当にうれしかったです。

特に小木田投手の指名には特別な思いがあります。

初めて会ったのは2年前のドラフトの日です。スクリーンに中継映像が映し出されるなか、チームメートや報道陣とともに指名の行方を見守りましたが、その時は名前が呼ばれず指名漏れ。悔しくて気持ちの余裕がなくなってしまいそうな場面で、小木田投手は報道陣最後の1人が帰るまで廊下に立って見送り、お礼を言い続けていました。

その姿を見て私は1枚の取材ディスクを残しました。いつか頑張りが報われた時に「あの日があったから」と思ってもらえるようにしたい。そんな思いを込めて、当時の映像を手元に保管していました。

あれから2年、小木田投手は諦めずに努力を続け、今年はエースとしてチームを2年連続の都市対抗本大会出場に導きました。年々エースとしての存在感も増していますが、小木田投手は「まだまだ」と話します。あの日の悔しさをバネに、これからもどんどん上を目指していってほしいです。今後の活躍を楽しみにしています!

(朝日新聞秋田版 2021年10月16日掲載)

高田 美樹

会話も巧みな「投球術」

東京ヤクルトスワローズの石川雅規投手が大卒投手史上初の20年連続勝利を達成しました。1勝するのも大変なプロの世界で20年連続勝利。本当にすごいことですよね。

初めて石川投手にお会いしたのは2017年、入社1年目のこと。大館市で12球団の選手が集まるイベント「ベースボールクリスマス」が開催され、一緒にトークショーに出演しました。小学生の頃から見てきたヒーローの姿に最初は緊張しましたが、あまりにも気さくに話しかけて下さるのですぐに緊張が解けました。「小さな大投手と言っても大きいんだな」。そんな印象を抱きました。私が小柄だということを差し引いても身体の厚みがものすごかったです。

受け答えも印象に残っています。どんな質問にもテンポよく返し、フォローもしてくれる。どれも「使いたい!」と思ってしまうストライクの回答。コーナーをつくような面白い回答も多く、「会話はキャッチボール」と言いますが、キャッチボールを超えた”投球術”を感じました。

あれから4年、私は記録に残すようなことはできていませんが、石川投手のように何年経っても謙虚に多くのことを吸収できる人でありたいと思っています。またお会いできるのが楽しみです。まだまだ続くベテランの挑戦を、応援しています。

(朝日新聞秋田版 2021年06月26日掲載)

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