あいたいAAB

藤盛 由果

描いた石 行き先ドキドキ

石にときめいたこと、ありませんか?私は理系ではないので地層や化石はさっぱりですが、表面がツルツルした石をずっとなでたり、変わった形の石が何に見えるか想像したり。「石っておもしろい!」と、ときめいた経験は何度もあります。皆さんも幼い頃、そんな遊びをしたことがあるはず。

その石遊びが、進化してジワジワと広まっているんです。それが「WA ROCK」。イラストなどを描いた石を、色々な所に置いてくるというもの。見つけたら持ち帰ってもよし、自分の石と交換してもよし、「ココにあったよ」とSNSで拡散してもよし。結構自由な遊びです。

先週のサタナビっ!で「ワロックってなに?」と調べる中で、ミーチューが描かれた石を見つけたので、局に持ち帰りました。写真に小さく写っていますが、わかりますか?そして私も、石にイラストを描いて隠してきました。まだその場所にあるのか、別の場所にあるのか……。自分の石がどんな旅をするのか考えると、わくわくドキドキします。

この調査をする前、男鹿に行った際に見つけたワロックに書かれていたのは、白地に「夢 Dream」という文字でした。夢、持ってるか?と語りかけられた気分。深いなぁ……「WA ROCK」。

(朝日新聞秋田版 2018年11月21日掲載)

藤盛 由果

私のクシャミは文学的?

季節の変わり目、あちこちから聞こえてくるのがクシャミ。朝晩と日中の寒暖差も大きくなり、みなさんも体調管理に苦労していませんか?

それにしても、クシャミって特徴が出ますよね。女の子らしい可愛い音から、何かが爆発したような音。アナウンサーのクシャミは発音がいい、というのが“あるある”です。

そんな私もクシャミが特徴的な一人。言葉で表しにくいのですが、人によっては小犬が鳴いた、小鳥がびっくりした、新キャラクターの鳴き声、なんて表現をします。私は二十数年このクシャミなので普通だと思っているのですが……。初めて私のクシャミを聞いた人は、ほぼ動きを止めてこちらをじーっと見るので、きっと変わっているんでしょう。

ある日、日本酒好きな友人から「藤盛さんのクシャミの日本酒がある!」と教えてもらいました。その名も「クラムボン」。ある人に、私のクシャミがクラムボンと聞こえると言われた話を覚えていてくれたのです。クラムボンとは、宮沢賢治の短編童話「やまなし」の文中でカニたちが語る言葉。私のクシャミは文学的ということですかね。クシャミから日本酒につながるとは予想外でした。秋の夜長、宮沢賢治を読みながら日本酒を、なんて風流ですね。

(朝日新聞秋田版 2018年09月26日掲載)

藤盛 由果

とれたてのウニの衝撃

小さい頃は苦手な食べ物が多かった私。成長するにつれ様々な苦手を克服し、それまで食べられなかったことを「もったいなかった」と感じています。中でも「こんなにおいしいものを食べていなかったなんて」と強く思ったものが、ウニ。

今は大好物の一つですが、幼い私にとっては「変わった見た目のどろっとした、クセのある食材……」。おすしのウニはいつも母にあげていました。それが、あるきっかけで急に食べられるように。私からウニをもらうことができなくなり、母が少し残念そうにしていたことを覚えています。

そのきっかけが、三陸産のとれたてのウニを食べたこと。甘くて、とろっとして、「それまで食べていたものは何だったんだ」と、幼いながらに衝撃を受けました。とれたてのものはおいしい。いろんな食材にあてはまることかもしれませんが、とれたての旬のものを食べるおいしさ、ぜいたくさを教えてもらった気がします。

先日、岩手県釜石市を一人旅し、泊まった宿で海の幸をおなかいっぱい頂いてきました。もちろん、大好きなウニも。宿の前にどーんと広がる海を眺めながら、海の恵みを頂く。とってもぜいたくな旅でした。その時の様子は今週の「サタナビっ!」で。

(朝日新聞秋田版 掲載)

藤盛 由果

興味尽きぬフランス革命

小学生の頃から、一番苦手な教科はずっと社会の私。地理、歴史、公民、どの分野もまるで頭に入らず。テストの前は呪文のように、年号や人名をブツブツとつぶやいていました。今も、クイズ番組の社会の問題は答えられないことがほとんどです……。

そんな私にも、歴史の中で好きな時代があります。それが18世紀のフランス、世界一有名な市民革命といっても過言ではない「フランス革命」の頃。有名な登場人物と言えば、王妃マリー・アントワネットに、軍人ナポレオン・ボナパルトでしょうか。

この時代に興味を持ったきっかけは舞台でした。フランス革命が描かれる時は、きらびやかな王宮のセットや衣装がつきもの。最初は「あの豪華なドレスを着てみたいなぁ」という憧れでしたが、今では革命家や思想家まで興味の幅を広げています。

当時の新聞の発行数や議員の人数も覚えられたり、苦手な年号も日付まで言えてしまったり。気になることが連鎖して、また次の興味が湧く。改めて、「好き」のパワーってすごいですね。

先日、フランス革命を民衆の視点から描いたミュージカル「1789 バスティーユの恋人たち」を見ました。またフランス革命愛に火がついてしまった私。まだまだ深くのめり込んでいきそうです。

(朝日新聞秋田版 2018年04月25日掲載)

藤盛 由果

紅茶屋で たくさんの「きゅん」

僧侶が走り回るほど忙しいとされるのが12月ですが、年度末の今の方が私にとっての「師走」な気がしています。年度のまとめをしながら、新年度の準備。自分がもう1人ほしいな、と思いながら日々を過ごしていると、気が付くと肩に力が入ってしまっているもの。そんな時は、ただひたすら好きなものに浸る時間を作るようにしています。自分の心がときめくものに触れ、たくさんの「きゅん」を回収する……。心の栄養補給みたいなものです。

最近、新たなときめきポイントを発見。その場所は、実家近くにある紅茶屋さん。イギリス式のティータイムを楽しめるお店です。お店に入って癒やしの香りに、きゅん。ディスプレーされたカップやソーサー、茶葉が入った缶のデザインに、きゅん。貴族のティータイムに出てくるような3段のケーキスタンド、絶妙ないれ方の紅茶……。たくさんの「きゅん」を回収することができました。

最も心がときめいたのは、店主の人柄。立ち振る舞いや話し方が魅力的で、「この人がいれた紅茶だから、よりおいしい」と感じたほど。私もこうなりたいな、と思ったティータイム。人からもらったときめきは、向上心につながるようです。

(朝日新聞秋田版 2018年03月23日掲載)

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