あいたいAAB

藤盛 由果

距離があっても…

人と話すこと、話を聞くことが好きでこの仕事に就いている私にとって、今の状況はちょっと……いや、かなりつらいものがあります。話に興味が湧いてくると、気持ちはもちろん姿勢もどんどん前のめりになってしまう癖。途中でハッと気が付いて2、3歩下がる。お互い苦笑い。「ソーシャルディスタンスですもんねぇ」と言って、会話に間が出来る。早く慣れなければと思いながら、新しい生活様式が体に染み込むまではまだ時間がかかりそうです。

番組を作る上でも対策を考えています。以前であれば、この写真のような距離感は考えられなかったこと。でもこれが新しい生活様式です。一つメリットがあるとすれば、以前よりも表情で訴えるようになったことでしょうか。どんなに距離があっても、マスクで顔が半分見えなくても、スムーズにコミュニケーションが取れるようになったと思います。特におでこやまぶたの筋肉をいっぱい使い、表情筋が鍛えられているような。

千田アナ、登アナ、そして私とちょっと珍しい組み合わせの3人ですが、26日放送の特別番組「秋田を応援!あしたへスイッチ!SP」の1コマです。久しぶりにたっぷりとお話しできました。話すって、やっぱり楽しい。ニュースを伝える時とは違う2人の表情にも注目です。

(朝日新聞秋田版 2020年09月19日掲載)

藤盛 由果

魚さばき、前向きに

魚をさばいたこと、ないなぁ……。テレビで、一から魚をさばいて寿司(すし)を握るシーンを見て、ふと思いました。それなりに料理は作れる(つもりでいる)のですが、私の料理のレパートリーに、魚料理はほとんどありません。魚を触るのが苦手というわけではありません。釣りは何度か経験済みで、むずっとつかめます。もちろん、食べるのも大好きです。ただ、自分でも驚くほど不器用なんです。おにぎりも三角形になりません。そんな私が魚をさばくなんてケガするだけ……と思っていましたが、思い立ったが吉日。旬のアジの三枚おろしに初挑戦しました。

結果は写真の通り。思った以上にうまく三枚におろせました!なんでもチャレンジしてみるものですね。次はどんな魚をさばこうか、どんな料理にしようか、意欲が湧いてきました。なによりも、今まで苦手、出来ないと思っていたことも、今なら出来るんじゃないかと思えるように。まさか、三枚おろしで前向きになれるとは。

ちなみに、この日のアジは、「なめろう」になりました。身がボロボロになってもおいしく食べられるよう、ショウガや大葉を買っていたんです。これだけきれいにさばけたら、刺し身でも良かったなと少し後悔。でも、もう自分で食べたい時にさばけますからね。旬のうちにもう一度。

(朝日新聞秋田版 2020年06月20日掲載)

藤盛 由果

「すべきこと」考える力を

9年前の3月11日。私は実家で、秋田での新生活に向けた引っ越し準備をしていました。数日後にはAABでの研修がスタート予定。期待に胸躍らせていました。しかし、あの地震で全てが変わりました。あまりに大きすぎて把握しきれない被害状況。いつ起こるかわからない余震。行き届かない物資。普段と異なる状況の中始まった研修は、先輩方の姿を後ろから見ていることしか出来ませんでした。何をすればいいのかわからない……というか、何もわからない。伝えるってなんだ。私に出来るんだろうか。不安でいっぱいのスタートとなりました。

そんな時、思い出す言葉があります。「すべきことをしなさい」。恩師の言葉です。迷った時はシンプルに、今自分がとるべき行動が何かを考える。先を見すぎると不安なことばかりが目に入りますが、そんな時こそ「今」に向き合い、すべきことを自ら導き出せるようにありたい。そう自分に言い聞かせる今日この頃。今まさに、その力が問われている気がします。

あの日から丸9年。つまり、もうすぐ私も社会人10年目に突入です。何年経っても、すべきことの判断を間違うことが多々あります。それでも、どうすべきか“考える”ことは忘れずにいたいものです。

(朝日新聞秋田版 2020年03月11日掲載)

藤盛 由果

ふるさとの魅力 30秒に

中学・高校と放送部に所属していた私。年に何度か放送コンテストがあり、出品用のドキュメンタリーやドラマ作品を部員のみんなと作っていました。その時のことを思い起こしてみると、まず題材を決めるので一苦労。校内での出来事で作ると言っても、学級、部活動、行事、委員会……テーマになりそうな物はわんさか。むしろ、なんでもテーマになります。珍しさや奇抜さで攻めるか。身近なものを視点を変えて表現してみるか。ああでもない、こうでもないと議論と言う名のけんかを繰り返し、決まってからもまた、やっぱりこっちの方が……と作品を提出するまで悩み続けるのです。

先日、あきたふるさと手作りCM大賞の収録が行われました。私も秋田で生まれ育ち、取材を通して各地を訪れているため「この市町村といえばコレ」というものが何となくあります。それでも毎回驚かされるのがCM大賞。こう来たか、とみなさんの発想に脱帽です。自分の住んでいる所って全てが“当たり前”に見えて、テーマを決めるだけで大変だと思うんです。学生時代の私がそうだったように。

30秒という短い時間に、各市町村の魅力がぎゅっと詰め込まれています。「あきたふるさと手作りCM大賞」は12月7日午後2時からの放送です。

(朝日新聞秋田版 2019年11月27日掲載)

藤盛 由果

知らないこといっぱい

「就活」は就職活動の略。「経済」は経世済民の略。「サタナビっ!」はサタデーナビゲーションの略。普段から何げなく略語を使っている私たちですが、中には略語と知らずに使っていることも。

先日、サタナビっ!のロケで、電柱に似ている謎の柱について調査しました。その時、ふと思ったんです。電柱が「電信柱」の略なら、きちんと電信柱と言った方がいいのでは、と。コメントする前に念のため……と調べてみてびっくり! 電柱と電信柱は別物だったんです。

では電柱とは一体何者なのか。調べたところ、電力会社が電気を送るために道路に設置しているもので、正式名称は「電力柱」というそうです。初めて聞きました……。ちなみに電信柱は、通信会社が電話回線などを各家庭に届けるためのものだそうです。なるほど、通「信」というわけですね。共通で使っているものもあるそうですが、見た目がそっくりでも、送っているもので名前が変わるなんて。

仕事上、言葉には敏感でありたいと思っていますが、まだまだ知らないことがたくさん。知らないということに気づいていないことがたくさんあります。クイズ番組で日本語に関する問題が出ると「へぇー」ばかり。あぁ、頭がパンクしそう。

(朝日新聞秋田版 2019年09月11日掲載)

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