あいたいAAB

千田 まゆこ

まあ、仕方ないか

最近回復が遅いのです。何がって、あれもこれもですよ。

ちょっとした手の傷痕が、2週間たってもうっすらと残っていたり。その頃にはなぜ傷がついたのかも忘れているというのに。

先月から今月にかけては風邪とアレルギー性鼻炎で鼻が詰まっている状態がおよそ2週間続きました。医療機関を受診して薬を処方してもらったのですが、そんなにすぐには良くなりません。「すごい鼻声だったよねー」と知人にも言われてしまいました。あれでも音声さんが音を調整して少しでも聞きやすくしてくれていたのです。お聞き苦しい声で申し訳ありませんでした。

そして寝ても寝ても寝ても眠い。これは季節の変わり目だから? 冬眠したい気分です。

精神的ダメージを受けてもこのところ回復が遅いような気がします。気分転換できればよいのですが、日常の生活に追われてなかなかうまく出来ずに、ずるずるとスッキリしない状態から抜け出せずにいます。

あと1週間でまた一つ年を重ねるわけで、まあ、仕方ないか。

けさは強く鼻をかんだら鼻血が出て、なかなか止まらないのでマスクの下に秋田弁でいうところのツッペをしたまま出社して、この原稿を書いています。ふう、まいった。

(朝日新聞秋田版 2020年11月21日掲載)

千田 まゆこ

仕事の夢何度も

自分が取材した原稿書きと編集がギリギリになり、衣装に着替えたのが放送2分前。バタバタとスタジオに入り「1分前です」というフロアディレクターの声を聞きながら椅子に座ると、なぜか透明なスタジオの壁の向こうに、迫りくるヘリコプターが見える。ぶつかる!と思ったら案の定ヘリコプターが社屋にめり込んだ。

と、普通ならここで目が覚めそうなものだが、夢は続く。「10秒前」。トレタテ!の放送が始まる。目の前の出来事を伝えなければならない。スタジオのカメラマンたちもヘリコプターの方向にカメラを向けた。「信じられない光景ですが、秋田朝日放送の建物にヘリコプターが衝突しました!」。そこでようやく目が覚めた。眠ったのにぐったり疲れている。

職業柄だろうか。過去にも仕事の夢を何度もみた。発声練習で声が出なくて、必死に声を出そうとしたら本当に大きな声が出て、その自分の声にびっくりして目が覚めたことも。しばらく夢か現実かわからずにぼんやりしていた。放送が始まるのに原稿を書き終わっていない夢は何度もみた。

ある現場に居合わせた高校生にマイクを向け、「びっくりして持っていたアイスクリーム落としちゃいました!」というナイスなコメントが取れたこともあった。その夢の内容は、またの機会に。

(朝日新聞秋田版 2020年09月05日掲載)

千田 まゆこ

「当たり前」に感謝

再び子どもたちの小中学校も始まり、ホッとしています。しかも学校が始まった日からちゃんと給食があるってありがたいです。

思えば長い戦いでした。もう少し長くなったら気持ちが敗れそうでした。自分ひとりの食事ならなんとかなっても、成長期の子ども2人に3食+おやつをいかに食べさせるか、毎日考えるのはもう大変でした。朝はチーズトーストやら白米納豆みそ汁やら、定番。昼食は次第に、材料を用意して子どもたちに作らせ、時には冷凍食品様のお世話になり、でも帰宅してからの夜ご飯のことも考えると昼のメニューなんて浮かばない!と追い詰められていったのです。

そうこうするうちに、県内でもテイクアウトが充実。飲食店が生き残りをかけてという深刻な側面もありますが、私にとっては「いざとなったら」のお守りのような存在になりました。きょうはもう限界だと思ったある日、テイクアウトを予約し、出来たてを受け取って帰宅。ちょっと心に余裕がある夜になりました。子連れで行ったことはない店なので、子どもたちにとっては初めての味で新鮮だったようです。これまで数カ所のテイクアウトを利用しました。

まだ元通りの生活とはいきませんが、給食など、当たり前だった様々なことに感謝しながら、きょうも何を食べさせるか考えます。

(朝日新聞秋田版 2020年05月23日掲載)

千田 まゆこ

天使ちゃんの服 反響様々

去年秋にディレクターとして制作し全国放送したドキュメンタリー番組「テレメンタリー2019 天使ちゃんの服~誕生死だったあなたへ~」。流産や死産、新生児死といった、一度は命が宿った誕生死で亡くなる赤ちゃんのための小さな服を作っている、秋田市のNPO法人ここはぐを取材しました。

放送後、入社した頃からお世話になっている男性から涙ながらに電話をいただきました。40年ほど前に子どもを2人続けて流産で亡くし、近所の人や親戚にいろいろ言われるのが苦しいからと県外の病院で処置をしてもらったそうです。明るいその方が胸にしまっていたことでした。一方で、温かい反応ばかりではありませんでした。「その後子どもに恵まれて子育てしてるからいいじゃないか」「そんなことしないでそっと見送るのはだめなの?」。何が良くて何がダメということはないと思っています。これまでタブー視されていた内容をテレビで扱ったことで、正しく知るきっかけや考えるきっかけになればいいなと思います。誕生死は誰のせいでもないということも、多くの人に知って欲しいです。

1年間Abemaビデオで配信中です。関連するAbemaタイムズの記事が一時ヤフトピ入りしたことも。見逃した方は、ぜひご覧ください。

(朝日新聞秋田版 2020年02月19日掲載)

千田 まゆこ

亡き天使ちゃんを送る服/千田まゆこ

2年ぶりにドキュメンタリー番組を制作しました。タイトルは「天使ちゃんの服」。流産や死産、新生児死で亡くなる赤ちゃんのための服を作っている秋田市のNPO法人ここはぐを取材しました。きっかけは去年秋にニュース特集でその活動を取材したこと。上司に「絶対に全国放送しよう」と励まされ、厳しい企画会議でテレビ朝日のプロデューサーに「社会性がない」と言われながらもめげずにプレゼンした結果、採用されました。どうしても秋田のママたちの活動を多くの人に伝えたかったのです。

天使ちゃんの服は市販にはないサイズで、ここはぐスタッフとボランティアが手縫いしています。亡くなった小さな赤ちゃんに合うかわいい服を着せて送り出したいという思いからです。活動は取材を続けるうちに「おくりばこ」という棺やお骨入れという新たな形になっていき、ついに全国へ発信することになりました。ここはぐは24日までクラウドファンディングで活動資金を募っています。番組では、誕生死を経験した夫婦、天使ちゃんの服を赤ちゃんに着せて送り出した夫婦にも取材しました。

「テレメンタリー2019 天使ちゃんの服~誕生死だったあなたへ~」は24日午前1時55分からです。(再放送は30日〈土〉午後3時から)

(朝日新聞秋田版 2019年11月13日掲載)

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