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親も新しいステージに

3月。卒業、別れの季節だ。ニュースでもこの時期、学校の卒業式の映像が必ず流される。しかし、今年は何ともさみしい様子ばかりである。我が子らの卒業式も中止、あるいは簡素化され、保護者の参列はなかった。子どもたちはいかにも物足りない顔を見せていたが、実を言うと私は式とか会とかにはあまりありがたみを感じていないので、それほど残念には思わなかったというのが本音である。もちろん面と向かってそんなことは言わないけれど。

今年中学を卒業する子らは、小学校入学直前に東日本大震災を経験した。そして今年は新型コロナウイルスだ。親にとっては忘れがたい記憶である。よほどのことがない限り、子どもらには来月から新しい生活が始まる。今はその準備でてんてこ舞いだ。先日もアパート探しに県外まで出かけてきた。私にとっては初めての街で、厳しい日程だったが肝心のアパートもあっさり見つかり、親としてはもう少し検討して決めたいところだったのだが、本人がいいと思えばいいのであった。後は本人がちゃんと学ぶ環境を整えるだけだ。まあ、それが心配のタネなわけだが。私たちも親として新しいステージに立たされた。これから、心配も楽しみのひとつに……できるかなあ……。親は心配する生きものなのだ。

(朝日新聞秋田版 2020年03月25日掲載)

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