あいたいAAB

ZEN

いまが踏ん張り時

コロナ禍によって人と人の距離を極端に取るようになってずいぶんになる。ニンゲンがニンゲーーーンになってしまった。歴史的な人間の営みの全てを破壊するかの勢いで、人間とは何か、なんて哲学的な問いまで浮かぶ。ヒトが生物として無意識に行動する部分すら制限し、人を思い気遣うという大切で不可欠な気持ちを否定されているようでもある。それと、一致団結しなければならない時なのに、旗振り役を全く信用できないという現実が、陰鬱(いんうつ)な空気感を増幅させているようにも思える。

欧州に住む友人から、同居人以外とも会えるようになったとか車に複数で乗車可能になったとか、もろもろの制限が緩くなってきたと聞いたのが5月下旬。東京の友人から、たまに酒を飲みながらたわいのない話をするとか、何でもない雑談をする、ということがいかに意味があったかと繰り返し電話で聞かされたのも5月下旬。国内の緊急事態が解除され、様々な制限が緩められたのも5月の終わりごろだ。今月に入り、さらに制限が緩和され移動の自由が戻りつつある。しかし、思考することなく目的と手段を取り違えた行動も目立つようだ。リーダーも情報もあてにできないんだから仕方ない部分もあるけれど。情けないし理不尽な話だがここは一人一人が踏ん張るしかないかもしれない。

(朝日新聞秋田版 2020年06月27日掲載)

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