あいたいAAB

藤盛 由果

「すべきこと」考える力を

9年前の3月11日。私は実家で、秋田での新生活に向けた引っ越し準備をしていました。数日後にはAABでの研修がスタート予定。期待に胸躍らせていました。しかし、あの地震で全てが変わりました。あまりに大きすぎて把握しきれない被害状況。いつ起こるかわからない余震。行き届かない物資。普段と異なる状況の中始まった研修は、先輩方の姿を後ろから見ていることしか出来ませんでした。何をすればいいのかわからない……というか、何もわからない。伝えるってなんだ。私に出来るんだろうか。不安でいっぱいのスタートとなりました。

そんな時、思い出す言葉があります。「すべきことをしなさい」。恩師の言葉です。迷った時はシンプルに、今自分がとるべき行動が何かを考える。先を見すぎると不安なことばかりが目に入りますが、そんな時こそ「今」に向き合い、すべきことを自ら導き出せるようにありたい。そう自分に言い聞かせる今日この頃。今まさに、その力が問われている気がします。

あの日から丸9年。つまり、もうすぐ私も社会人10年目に突入です。何年経っても、すべきことの判断を間違うことが多々あります。それでも、どうすべきか“考える”ことは忘れずにいたいものです。

(朝日新聞秋田版 2020年03月11日掲載)

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