社長ブログ

2021/03/12

人を楽しませることの素晴らしさ | 桜井 元

 東映㈱代表取締役グループ会長・岡田裕介さんの「お別れの会」が10日、東京・渋谷であり、岡田さんにはテレビ朝日ホールディングス、九州朝日放送、北海道テレビ放送の社外取締役をつとめていただくなど、系列としてお世話になったこともあって、秋田から出かけた。献花をしたのは2000人を超え、会場には岡田さんがプロデュースした映画の名場面、授賞式や古希祝いの会などで挨拶する姿が流された。

 岡田さんは昨年11月18日、吉永小百合さん主演の新作映画「いのちの停車場」(5月21日公開予定)の打ち合わせ中に大動脈解離で倒れ、救急搬送されたが、そのまま旅立った。71歳だった。

 「お別れの会」で配られた冊子によると、岡田さんは慶応義塾大学在学中に新宿でスカウトされ、1969年にテレビドラマでデビュー。翌年、庄司薫さん原作の映画「赤頭巾ちゃん気をつけて」のオーディションに「薫と同じ(日比谷)高校に通った自分がやるべきだ」と合格、主演の座を射止めた。以来、出演・企画・プロデュースした作品は、テレビドラマを含めて計103本。一般社団法人日本映画製作者連盟や日本アカデミー賞協会組織委員会の会長をつとめるなど、まさに日本映画界のリーダーだった。

 冊子には、吉永小百合さん、西田敏行さん、水谷豊さんら15人が「贈ることば」を寄せ、一部はご本人の声で会場に流された。
 笑福亭鶴瓶さんは、「会長やのにこんなにイジりがいのある人はいない。イジると嬉しそうに『アホなこと言いな』と返してくれた。たぶん本人は死んだとは思ってないやろ。コロナが収束する頃に戻ってきてほしい」

 岡田さんの言葉も紹介された。「プロデューサーは努力(断られても向かっていく執念)、才能(監督と俳優もシナリオライターも)、経験(何事も自分で動く)」「映画って一人で見ててもあんまり面白くないんですよ。映画館へ来てみんなで感動を共有したりすることって、僕はなくならないと思ってます」。コロナ禍での映画館自粛については「戦争中だって、パチンコ屋と映画館だけは閉めなかったんだ」

 会場の映像は、岡田さんの笑顔とともに、次のようなメッセージで締めくくられた。放送局を含め、映像・音楽表現にかかわる者として胸に刻みたい。
 「人を楽しませることの素晴らしさ。その想いは、私たちの中に生き続けています」

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