社長ブログ

2019/05/07

「平成」締めくくった師弟の音色 | 桜井 元

(音楽事務所プリナールナ提供)

 東京のトッパンホールで29日、美郷町で今年から「音楽事務所プリナールナ」を運営する扇田泰子さんと、「師匠」のミロスラフ・ケイマルさんのトランペットの共演を聴いた。「ボヘミアの出会い」と題し、チェコ留学をしていた扇田さんと、同じ部屋で過ごしたこともあるピアノの後藤絵里さんも参加した。

 秋田のアトリオン音楽ホールでも27日、同じコンサートがあったが、当社が放送したサッカーの試合と重なったので、久しぶりにトッパンホールを訪ねた。松田知己・美郷町長のほか、秋田の関係者も来られていた。

 ケイマルさんは77歳のベテラン。軍の音楽学校からプラハ音楽院へ進み、長くチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の首席をつとめた東欧を代表するトランぺッターだ。ドヴォルザーク(演奏会ではチェコ語に近い「ドヴォジャーク」と表記された)の名曲から、「マイウェイ」のようなヒットソング、オリジナル・サウンドトラックではケイマルさんが指名されたというスタジオジブリの映画「ハウルの動く城」の挿入歌「星をのんだ少年」(久石譲)まで、幅広いレパートリーで、豊潤な響きと円熟のヴィヴラートを聴かせた。

 弟子の扇田さんは、伸びやかな若々しい音で、師と一味違った魅力を発揮、後藤さんとの息もぴったりだった。

 学生時代に「大阪国際フェスティバル」でモーリス・アンドレを聴き、1987年には福岡で友人たちと雨に濡れながら、野外ステージのマイルス・デイビスに拍手を送った。あの「昭和」を代表する名演以来、心動かされるトランペットを久しく聴いていなかったように感じた。

 アンコールは、秋田が生んだ成田為三の名曲「浜辺の歌」を3人で演奏。大館市出身で、美郷を拠点にこれからも音楽活動を続けていこうという扇田さんの「覚悟」がにじんだ。

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