2018/12/03

東由利のフランス鴨 苦節と栄光の30年 | 新岡 智昭

「あなたは、どんなアナウンサーになりたいですか?」就職試験で必ずと言っていいほど尋ねられます。学生時代はどう答えたらいいのか真剣に悩みました。アナウンサーを志す後輩にもよく相談されます。偽らざる本音を吐露すれば「なってみないと具体的には分からんわ!」ですが、そんなド直球なことはとても言えませんでした。

「取材した人の思いを広く伝えられるアナウンサーになりたいです。」22歳の僕が出した答えはこうでした。今になって思えば何とも抽象的な言い方です。それに正直に申し上げると、就職してから数年はその真意をきちんと理解していなかった気がします。全国の面接官の皆様、ごめんなさい!

ところで先月、東由利フランス鴨生産組合の金子拓雄さんを取材しました。金子さんがフランス鴨に出会ったのは30年前。今や押しも押されもせぬ秋田の特産品ですが、生産を始めた当初は融資がなかなか受けられなかったり、鴨が思うように育たなかったり、生産仲間が減ったり…色々、という言葉では決して済まないほどの苦労がありました。

「苦労した分は頑張るパワーに変えてきた。見返してやるという気持ちだった。」インタビューでは穏やかに語った金子さんの表情が印象的でした。苦節30年、若輩者の僕は想像してもしきれません。それでも「簡単にヘコたれてはいけないんだな…」と勇気づけられます。この想いを伝えたくて今回の特集を制作しました。伝えたいってこういうことなんだなぁ…と改めて感じた業界6年目の冬です。

東由利の人たち、支援者など約200人を集めた30周年記念パーティーに大変僭越ながら参加いたしました。終始祝福ムードに包まれた素晴らしい会でした。フランス鴨がおいしいことはもちろん、ここまで来られたのは金子さんの人徳に他ならないと感じます。

https://www.youtube.com/watch?v=2Kw3yq0mthQ

↑フランス鴨の特集、Youtubeにアップしています。

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