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長い車旅 降りて上機嫌

年末年始に家族で富山と岐阜に行って来た。往復1400キロ。滅多にしないロングドライブだった。運転手は私1人。普段通らない道を走るのは嫌いではないのでそれなりに楽しんだが、同乗者たちが「揺れる」だの「足がむくむ」だの「緊張する」だの、不平を口にするのにはいささか閉口した。

でもまあ、それも仕方ないことで、何しろそんな長旅は十数年ぶりなのだ。ハンドルを握っている私は積極的に車の操作をし続けているわけだが、同乗者はただひたすら座っているだけなのだから。

若い頃、東京から富士山のふもとまで仲間とドライブした。車内はなぜだかずーっと盛り上がり、ほとんど誰かしらしゃべり続けていた。そうしていなければならない年頃だったのだと思う。ウチの場合、後部座席の子どもたちは勝手にしゃべってお菓子を食べて、寝る。助手席の妻とは、眠気防止に目的地の話なんかをぽつりぽつりするくらいだった。

まあ、そんなものだろう。鶴岡、富山、高岡、高山、新潟と巡ったが、高岡以外は家族では初めての場所ばかりで、車を降りさえすればすぐに皆、上機嫌になるのがよかった。「知らない場所を楽しめる人たちでよかった」と、つくづく思う。でも、しばらくはドライブ嫌がるだろうなあ……。

(朝日新聞秋田版 2019年01月16日掲載)

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