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友川ライブ 子にいい経験

秋の初めに秋田市内で友川カズキのライブがあり、子どもを連れて行った。中高生にはどうかとも思ったが、自分もその頃「友川」を聴いていたし、好みはどうあれ、音楽を生のステージで聴くのは良い経験だろうという夫婦の結論になったわけだ。

小さなライブハウスの中で、酒を片手にした大人たちに囲まれて、未成年者は見事にうちの子どもたちだけ。そんな中で彼らがどう時間を過ごしたか、本当のところはわからないが、私たち大人は、笑いと静かな怒りのステージを十分に楽しんだ。

曲と合間のしゃべりの落差がすごいのだ。実は中身はつながっているのだが、しゃべりでは笑わせ、歌では胸をつく。9月であったが、友川さんは「いまだに金農に胸ぐらをつかまれている」と言って、「くりかえし金農の話題になってしまう自分が今一番欲しいのは金農の卒業証書だ!」と観客を笑わせる。一方で本や自分の生活、この国の今に対する憤りなど、とても今時のテレビでは聞くことのないような言葉や歌で、観客の胸ぐらをつかんでいた。

友川さん自身は反面教師などと言っていたが、子どもたちが観客の笑い声にひるまず注意深くその言葉と歌を聞いていたなら、それこそいい経験になったはずだ、と親としては希望的観測をしている。

(朝日新聞秋田版 2018年11月14日掲載)

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