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盆踊り 子を追って冷や汗

夏祭りのシーズンである。県外から観光客が大勢出かけてくる祭りも多い。観光で訪れる人々にとっては、お目当ての祭り以外にも、その土地の「食」も重要。少なくとも私はそうだ。秋田の名物と言えば、鍋ものが筆頭になるけれど、やっぱり夏は夏らしい冷たいものがあっていいと思う。そこで「冷やがけそば」である。私の子どもの頃からあちこちで普通に食べられていたものだが、県外ではあまり見かけない気がする。秋田の夏の味として(地元では季節は関係ないけど)大々的に売り出してもいいように思うのは私だけだろうか……。

「冷やがけ」で有名な羽後町ではこの週末、西馬音内(にしもない)盆踊りが開催される。あでやかで幻想的な、生と死が交錯するかのような、エロチシズムを感じる盆踊り。うちの子が園児だった頃、家族で訪れたことがあった。ただ踊りを見に行ったつもりだったが、子どもは列に加わって踊れると言うので、喜んで参加させた。だが、踊りが始まるや否や私は冷や汗をかいた。踊りの列は進んでいくのである! 目の前から我が子がどんどん遠ざかって行く! いつ終わるのかもわからない。「すみません!」と、見物の人ごみの中をかき分けかき分け我が子の姿を追っていたのを思い出す。その節は迷惑かけました。

(朝日新聞秋田版 2019年08月14日掲載)

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