社長ブログ

2017/12/12

“ともみん”も案内、「アートたけし」の世界 | 桜井 元

 クリスマスイブの24日まで、秋田県立美術館で開催中の「アートたけし展」。音声ガイドを借りると、江口ともみさんの声が聞こえてきた。ご主人は「たけし軍団」つまみ枝豆さんだし、ご夫婦で「オフィス北野」所属だしなあ、と思いながら会場をめぐる。

 ピカソ風ありマンガ風あり、コントのネタ風の百面相あり……。乙女チックな天使や花柄の絵には驚かされる。版画では、たんすの上の金魚鉢に手を伸ばそうとするネコが和風情緒たっぷりに描かれる。

 たけしさんの作品100点には、それぞれタイトルがつけられていないので、かえって想像力が膨らむ。観ている人たちも、自然に笑顔になる。「オイラの芸風の幅広さを楽しんでもらえたかい」。そんなたけしさんの声が聞こえてきそうだ。

 それにしても、テレビ、映画と超多忙のたけしさんは、いつどのようにカンバスに向かっているのだろうか。自分で絵具を買い求めることもあるという。自分自身を発見する旅――そんな解説も聞かれた。

 LINEで「ともみん」と登録してある江口さんに、「秋田の『アートたけし展』で声を聴きましたよ」と連絡してみた。すぐに「全国どこでもグッズが人気。ネコの絵はがきは売り切れますよー」と返信が届いた。

 グッズ売り場で、クリアファイル、しおり、付箋、ポチ袋など小物ばかり19点、8,478円分を買い込んだ。ちょっとは売り上げに貢献できたかな。

2017/12/07

「ふるさとCM」のチカラ | 桜井 元

  「ふるさとへの想いがギュッと詰まった魅力を感じます」。毎年2月、東北6県の「ふるさとCM大賞」の作品を持ち寄って、仙台で開催されてきた「東北ふるさとCMフェスティバル」の司会を担当する江口ともみさんは、いつも収録を楽しみにしてくれている。

 ふるさとCMの番組を初めてつくったのは、山口県のテレビ局だという。今ではテレビ朝日系列の多くの局で制作している。ただ、全局そろって番組をつくっているのは、東北の6県だけだ。

 新聞社勤務のころから、あちこちの番組収録を見て回った。一番驚いたのは、2008年の長野朝日放送(abn)の大賞CM「岡谷の塩丸イカ」だ。審査員長のやくみつるさんもビックリのイカを擬人化した全編アニメーション。セル画を担当した人は「イカを2000枚以上描いた。2度と描きたくない」と言った(今もabnホームページからこの傑作CMをご覧になれます)。

  長野県は19市23町35村と自治体の数が多く、地域間の競争も激しい。その年は50市町村を超える参加があり、審査員に提供される特産の食品も多かったので、やくさんは胃薬持参ですべて完食していた。

 秋田県は、今年も25市町村すべてのCMがそろった。昨年の大賞は、審査員長の若松節朗監督が「『君の名は。』に負けない映像美」と称賛した三種町の「じゅんさいと共に」だった。さて、今年の審査員長・元祖爆笑王さんらが選んだ大賞は――。

  9日午後4時からの番組「第15回あきたふるさと手作りCM大賞」をご覧いただき、ご自分の目で確かめてください。

2017/11/13

2日続きの「お別れ会」 | 桜井 元

※写真は、映画「抗い」の場面から、執筆中の林えいだいさん。出席者に配られた

 

 11日は東京・築地で新聞社のドイツ特派員の先輩・五十嵐智友さん(2月27日、80歳で死去)、12日は福岡で記録作家・林えいだいさん(9月1日、83歳で死去)と2日連続で「お別れ会」に出席してきた。

 順序を逆にして……林えいだいさんは筑豊の香春町に住んで、九州の公害問題、朝鮮半島から筑豊の炭鉱への強制連行、B・C級戦犯、特攻隊、植民地支配など歴史の暗部に光を当て、常に弱者・被害者の視点に立って権力と対峙してきた。在任1年半足らずだったが、筑豊支局田川駐在だった32年前、ご自宅に呼ばれ、地域の歴史や課題について教えていただいた。

 えいだいさんは60冊近い本を残されたが、病と闘いながらRKB毎日放送のインタビューで「あと10冊書きたい」と絞り出すような声で語った。遺稿は特攻隊の生き残りの人の証言をまとめたもので、130枚まで書き進めてあったという。

 えいだいさんに影響された報道関係者は多く、お別れ会も九州朝日放送(KBC)をはじめ放送・新聞の各社が取材していた。ルポライター鎌田慧さんは「魂は継承される」と挨拶したが、えいだいさんの志は中堅・若手の記者たちに引き継がれると確信した。

 心配なのは、五十嵐智友さんの未完の1冊だ。戦時下の朝日新聞ベルリン特派員・守山義雄氏が題材で、守山氏はナチスドイツ軍の「パリ入城記」など名文記者として知られる。実は、守山氏は大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)ドイツ語科で、私のちょうど50年先輩に当たり、朝日放送(ABC)OBのご子息とも面識がある。

 柔和な五十嵐さんの遺影から「あとは君に頼んだよ」と微笑みかけられたように感じて、いつになく緊張した。

2017/11/10

ZENさんを東京・高輪でみた | 桜井 元

 第65回民間放送全国大会が7日、東京・高輪のホテルで開かれた。1階の展示コーナー「ニッポン全国!ご当地愛され番組。博」では、18のローカル局の「看板番組」が紹介され、AABの「サタナビっ!」は「たくさん愛され!高視聴率番組」部門の3つに選んでいただいた。累積損失を解消した2003年10月の放送開始から14年。最高視聴率22.7%(5月6日)、最高占拠率51.3%(昨年9月10日)と進化し続ける番組が評価されてうれしい半面、大島貴志子さんの「一合一笑」では午前中から飲酒シーンだよな~。と、心配もちょっとあった。

 「サタナビっ!」は今月11日で710回目。すごいのはZENさんが1回も休むことなく、腰を痛めて入院中でも、病室からスタジオに通って「皆勤賞」を続けていることだ。

 一緒に放映されたのは、南日本放送(MBC)の「てゲてゲ」と四国放送(JRT)の「ゴジカル!」。「てげてげ」は鹿児島弁で「適当」「ちょうどいい」という意味。36年前の初任地で「単語帳」をつくっていた私にとって、懐かしく、好きな言葉だ。MBCの番組でも、巨大パンケーキに女性レポーターが挑戦したり、「名物体育祭」を取材したり、「せんべろ」とは千円でベロベロだし……やっぱり飲んでるよ!午後7時の番組だからいいのか。楽しく「ゆる~い味」を出していた。決して「テキトー」に作ってはいない。「サタナビっ!」同様、工夫を凝らして視聴率を支えている。

 民放大会では、秋田出身の舞踏家・土方巽の残像を追ったAABの「輝石の詩⑪KAMAITACHI~ハサの記憶」(藤原峰ディレクター、山崎宗雄プロデューサー)が、開局25年目で初の優秀賞(テレビ教養番組部門)を受けた。イイコトが2つもあった大会だった。

2017/10/13

反田さんのピアノ | 桜井 元

 反田恭平さんの最新のCD「月の光-リサイタルピース」(日本コロムビア)を先日の連休にゆっくり聴いた。8月31日、秋田市のアトリオン音楽ホールであったリサイタルで喝采を浴びたドビュッシーの「月の光」、ショパン「別れの曲」、アンコールにこたえたシューベルト「即興曲」とシューマン「献呈」の4曲がこのアルバムに収められている。

 中学生の時、「即興曲」を弾いたことがあるが、反田さんの演奏は、軽やかな疾走感に満ちて、全く別の曲に聴こえた。逆に、「月の光」は、非常にゆったりとしたテンポで始まり、心地よい緊張と癒しを最後まで感じさせてくれた。
 反田さんと演奏会の前と後、握手を2回して、フワッと柔らかく、小さ目の手のどこにパワーが潜んでいるんだろうと感じたが、練習量がすごいということを後で知った。リハーサルだけでなく、公演後も、ホールの規則で許される限り、控室のピアノを弾き続けたのだと言う。スタッフの皆さんも空腹を我慢して、反田さんが納得のいくまで、練習終了を待ち続けた。
 スタッフの中には、アトリオンホール満席の聴衆が静かすぎると感じた人もいた。が、反田さん自身は「みんな集中して聴いてくれている」と分かっていたそうだ。秋田の音楽ファンは、本物を聴き分ける耳を持っている。

 「来年もぜひ秋田へ」と反田さんにお願いした。響きのよいアトリオンで、またあの感動に震えることができる――。そんな思いで、再演を心待ちにしている。

TOPへ戻る

error: Content is protected !!